短期的思考が採用企業ブランドを殺す

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企業が自社の『採用企業ブランド』について考えるときに、もっともよくある間違いは何だと思いますか?

多くの企業は、求人、マーケティング、あるいは『口コミサイト』の問題など、他のよくある問題を採用企業ブランドの問題だと誤って認識しています。採用企業ブランド問題の責任を会社の問題として取り組まず、採用活動の問題として転嫁してしまう人もいます。他にも、採用企業ブランドと採用マーケティングと混同する人もいます。ただし、これらの問題は、組織的な選択であるか、もしくはブランディングの『成熟度』が低い兆候であるため、それほど大きな誤りではありません。

あなたの会社が犯し得る最大の間違いは、採用企業ブランドを何か短期的なもの、つまりキャンペーンとして扱うことです。

 

ブランドはキャンペーンではありません  

採用企業ブランドの成功にはリクルーターの協力が必要です。しかし、一部のリクルーターには採用企業ブランディングを新しい考え方として受け入れる準備ができていない人たちがいます。その潜在的な価値や代替案の問題を認識できないのです。代わりに彼らはブランディングをキャンペーンのような一時的なもののように扱います。言い換えれば、無視しているのと同じことです。

成功する採用企業ブランドは、キャンペーンでもプロジェクトでも、あるいはイニシアチブでもありません。個別に期間限定でやったり、採用活動を一時的に押し上げるような手段のように考えていては、確実に失敗します。

自社の採用企業ブランドとは、『その会社で働くことについての包括的な理解』と考えてください。それは、今日どうだったとか、新しい小洒落たオフィスに引っ越したらとか、そういうことではありません。ビジネスが順調なときの様子についてでもありません。それは、その会社の日常の現実を表現するものであり、社員が会社の目標を達成しようと努力する理由です。

ブランドは表面的なメッキではありません。会社の本当の姿です。そして、それは本当の会社の姿の上にしか構築できません。それを最大限に活用する方法を学ぶために、世界で最も有名なブランドのひとつである、コカ・コーラに倣ってみましょう。

コカ・コーラのブランドとは何でしょう?赤と白のシューッと爽やかなものでしょうか?カッコいいボトルでしょうか?ホッキョクグマでしょうか?顧客は、あの特徴的な赤、ホッキョクグマ、そして『コークとスマイルをシェア』という誘い文句を目にすることがあるかもしれません。しかし、これらはすべてキャンペーンです。コカ・コーラのコアブランドとの感情的なつながりを刺激する手段なのです。

その本質的な部分において、コカ・コーラのブランドは幸せを生み出し分け合うことです。あの泡が鼻をくすぐるときに感じるシュワーとした発泡感、即座に広がる甘み、そして暑いときに冷たい飲み物を一口飲んで思わずもれる「ああ」という声なのです。

 

ブランドはプラットフォームです  

キャンペーンは顧客の感情を刺激するのに役立ちますが、それらはすべて、より大きなブランドプラットフォームの上に存在します。強力なプラットフォームがなければ、どんなキャンペーンも無意味です。例えば、ホッキョクグマと炭酸飲料に何の関係があるというのうでしょう?ほとんど何もありません・・・唯一の事実を除いて。つまり、幸せそうなホッキョクグマを見ていると楽しくなります。そして、幸せと楽しさは、コカ・コーラ・ブランドの基盤なのです。

強力なブランド・プラットフォームの上に置かれる手法を挙げると以下のようなものがあります。

  • キャッチフレーズ
  • ハッシュタグ
  • レビューへの対応
  • 自社採用サイトでのメッセージ
  • 求人情報
  • SNSや紹介キャンペーン
  • キャンパスイベントでのメッセージ
  • 広告や動画

プラットフォームの真の力は、その上に何を構築できるかにあります。強力なプラットフォームは、採用戦略とメッセージングの整合性を保ちます。プラットフォームが弱い場合、もしくは存在しない場合、企業は支離滅裂に見えてしまいます。例えば、先月の採用イベントではワーク・ライフ・バランスに焦点を当てていたのに、今月の求人では成長中の会社で働くことを宣伝したりすることです。

興味深いことに、プラットフォームは必ずしも誰の目にも明らかというわけではありません。コカ・コーラはプラットフォームを可視化するという点で飛び抜けています。「コークと笑顔」や「ハピネス・プロジェクト」をはじめ、その他のキャンペーンも『喜びを生み出す』というコアブランドを明確に表しています。

一方、ナイキの場合はそれほど明白に表現されていません。ナイキのブランドはシューッという音やマイケル・ジョーダンのロゴではありません。むしろ、誰でもアスリートになれるという考え方です。この考え方は滅多に可視化されません。実際、「just do it」というキャッチフレーズの「it」が具体的に何を指すのかに触れることもありません。しかし、ブランドプラットフォームがそれを明確にするのです。つまり、走る、跳ぶ、プレイすることです。

 

成功する採用企業ブランドはプラットフォームを最初に考えます

企業は、ブランドをプラットフォームではなくキャンペーンと考えると迷子になります。キャンペーンのアイデアやキャッチフレーズにばかりとらわれないでください。それは最終的な結果ではありません。すべてのアイデアや視点を単一のコンセプトに詰め込もうとすると採用企業の『ブランディング』ではなく『ブランディングもどき』になってしまいます。

もうひとつ押さえておきたい重要な点があります。採用企業ブランディングはコンシューマー・マーケティングのキャンペーンのようには機能しないため、すぐに明らかな伸びがもられるとは思わないでください。これが、前もってKPIとゴールを設定しておくことが重要な理由です。単に注目を集めたいのであれば、短期的に考えても問題ありません。しかし、人々が候補者から社員となり、感情に変化が生じ、ブランド理解を継続して呼び起こしたいと考えるのであれば、全体像を見る必要があります。

採用企業ブランドは、他のすべてのことの基礎となる部分です。賢明に投資し、キャンペーンではなくプラットフォームの観点で考えてください。それから、他の人にもプラットフォームの構築方法を教示し、ブランドを活性化できるのです。

 

James Ellisは、人気のポッドキャスト Talent Cast and Employer Brand Consultant のホストです 。 Twitter アカウントは @TheWarForTalent です。

Henry Eschricht は、とにかく人材、戦略、カルチャーが大好きで、彼にとってブランドコンサルティングはそれらを満喫できる場所です。(彼が語る地元企業での彼の『通常』ステータスだそうです。)探検するのにどこかに出かける必要はないと彼は言います。でも、彼が出かけるときにお気に入りのやり方は、スピードの出るビンテージカーでほどほどの速さで走ることです。

※この記事に掲載された見解や意見は著者のものであり、必ずしもIndeedの公式の方針や立場を反映するものではありません。

原文はこちら:How Short-Term Thinking Is Killing Your Employer Brand