レポート:【米国】自動運転車関連の求人動向

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数年前に自動運転車に関するニュースが話題になったとき、2020年までにすべての車線がハンズフリー自動車専用になるとか、2030年頃には戸別レベルの目的地で自動運転が可能になるなど、大胆な主張が特徴的でした。

それ以来、自動運転が私たちの個人輸送システムに取って代わるのではないかという熱狂は収まってきました。しかし、新たな現実が始まっています。自動運転車は輸送、農業、小規模配達など、すでに数多くの業界で稼働しています。ニュースに取り上げられる頻度はそれほどでないにしても、この技術にかけられる研究は鈍化していないのです。

自動運転技術業界を支えるには専門知識を持つ従業員が必要です。最も需要の高いスキルにはCまたは、C++、Python、Linuxなどがあります。これらのスキルを持つ求職者に情報を提供し、この競争における最新情報を採用企業と共有するために、米国の自動運転車に関するトップ企業と都市圏について調べてみました。

 

自動運転車の人材を採用するトップ企業

自動運転車業界は2015年から2019年の間に大きく成長しました。この期間、求人数は833%増加し、求人検索数も450%増加しました。2018年から2019年にかけてわずかな落ち込み(求人数は19%の減少、求人検索数は20%の減少)がありましたが、これは懸念要因というよりは、現場の安定化の指標と言えるでしょう。この業界への関心と投資は依然として強く、州の運営する交通機関が新しい試験施設を建設し、世界の自動運転車市場は2026年までに5560億ドルに達すると予測されています。

自動運転車関連の採用をしているトップ企業を見つけ、業界全体の成長を促しているのが何かを知るために、どの企業が最も多くの求人を投稿しているのか、Indeedのデータを掘り下げました。

 

モビリティテクノロジー企業のAptiv(アプティブ)社が2年連続で1位を獲得し、全体の21.7%を占める最も多くの求人を投稿して他を引き離しています。同社は数年前にLyftとのコラボレーションを開始し、先日、自動運転Lyftの乗車数が5万回に達したことを祝いました。

Aptiv社は、独自のソフトウェア、コンピューティング・プラットフォーム、人工知能(AI)技術のさらなる向上に取り組んでいます。中国での新規ハブの開設、ミシガン州トロイの施設の改修などがこの計画に含まれており、これにより米国内に500人の雇用が創出されます。また、Aptiv社は業界全体の研究の発展にも尽くしており、自動運転に関する最大のパブリックデータセットを共有する意向を発表しています。こうした成長により、同社が業界をリードしているのも不思議ではありません。

2年連続2位はNvidia(エヌビディア)社で、自動運転車用のハードウェアとソフトウェアを製造しています。ゲーム分野のリーダーでもある同社は、自動運転機能を開発している自動車メーカーに先進技術を提供するリーダーとしての地位も確立しています。

例えば、以前はテスラ社のAI運転機能を可能にするチップを供給していました。(現在、テスラ社は自社での技術開発を行っています。)Nvidia社は最近、自動運転トラックの技術協力のためにボルボ社と契約を結び、トヨタ社との関係も深めています。自動車メーカーのハードウェア需要だけでなく、開発プロセスとワークフローもサポートします。

これらのコラボレーションが示すように、自動運転車の分野は、世界で最も先進的なAI技術と最も伝統的な米国の産業のひとつである自動車製造との興味深い結合を表しています。3位以下のトップ採用企業はこれを例示しており、テクノロジー企業(3位 SAIC イノベーションセンター、4位 Bosch、6位 Cruise Automation)と自動車メーカー(5位 ダイムラー AG、7位 ゼネラル・モーターズ)が混在しています。

 

自動運転車関連の採用をしている都市圏

テクノロジー業界と自動車業界は伝統的に異なるホームベースを持っているので、自動運転車の仕事がどこにあるかも知りたいと思いました。Indeedは都市ごとの求人情報を分析して、米国内で自動運転車の仕事のシェアが最も大きいハブを見つけました。

2年連続でトップに位置するのは、シリコンバレーとしても知られるサンノゼの都市圏です。米国の自動運転車関連の仕事のほぼ3分の1がここにあります。長年、あらゆるハイテク分野のリーダーでもあるこの地域は、NvidiaやSAICイノベーションセンターなどのトップ企業の本拠地でもあります。

これに続くのが2つのラストベルト都市で、「古いものと新しいものが出会う」というこの業界の性質をよく表しています。この地域では新しいハイテク企業と伝統的な自動車メーカーの両方が輝いています。鉄鋼生産で知られるピッツバーグは、昨年の4位から急上昇し2位になりました。3位はデトロイトで自動車の町として知られていますが、昨年の2位から順位をひとつ落としています。

ピッツバーグには自動運転車技術の企業であるAptiv、Aurora、Argoなどが本拠地をおいています。Uberの先端技術グループもここにあり、同社の自動運転車試験の一部が行われています。デトロイトは自動車メーカーのビッグ3、すなわちフォード、ゼネラルモーターズ、クライスラーの本拠地です。これらの米国3大自動車メーカーは自動運転技術の開発に多額の投資を行い、将来を見据えています。

自動運転車関連の仕事のトップ6都市のうち、残りの都市はハイテク人材の採用でよく見られる傾向で海岸沿いに分布しています。4位 サンフランシスコ、5位 ポートランド、6位 ボストンです。

自動運転車の技術は急速に変化しており、企業がどのように適応するかは時間が経過してみないと分かりません。テスラのようにすべて内製化するために、自社で独自の自動運転技術を開発するものもいれば、Nvidiaのように他社に技術供給を続けることにフォーカスして、そのパートナーシップを中心にビジネスを構築するものもいます。

自動運転技術の利用がさらに多くの産業に拡大するにつれて、地理的にどの地域がこの分野で秀でているのかを見るのは興味深いものです。現時点ではテクノロジーに焦点をあてた都市と伝統的な製造都市の間でその集中が二分されています。今後、より多くの企業がこの分野に参入するか、この技術を採用するにつれて、自動運転車関連の勤務地は多様化していくかもしれません。

自動運転車の未来がどこに行くにせよ、私たちはそれの進む道から目を離さないでいましょう。

 

原文はこちら:REPORT: What’s Driving Jobs in Autonomous Vehicles?