ゴースティング:求職者が消える理由の裏側

昨年、本当に怖い傾向が現れました。求職者が採用企業の前から消えてしまうのです。就職面接に来ないことから、出社初日に姿を現さないことまで、候補者が跡形もなく消えてしまうのです。そして、採用プロセスにおいて、ゴースティングは大きな問題のひとつです。ゴースティングという言葉はもともとオンラインのデートアプリの世界で生まれた言葉です。新しいテクノロジーのお陰で、誰かを簡単にデートに誘えるようになり、同時に誘いを受けていながらデートに現れないことの流行に繋がりました。その効果は雇用においても同様です。テクノロジーと非常に厳しい労働市場が求職者をゴースティングに導いたようです。求人に応募するのはこれまでになく簡単になり、何らかの理由で候補者は跡形もなく消えてしまうのです。

しかし、それはなぜ起こるのでしょう?なぜ人々は消えてしまい、そしてなぜそれが今起こっているのか、そしてそれが採用にどのような影響を与えるのかを理解するために見出しや決り文句の裏にあることを調べたいと思いました。そこで複数の業界で4000人以上の求職者と900社近い採用企業を対象にゴースティングの発症率を測定するための調査を行いました。そして、自分がゴースティングをしたことがあるという求職者あるいはされたことがあると回答した企業に焦点を合わせて、ゴースティングについての詳細を確認しました。例えば、ゴースティングは非常に新しいものですが、すでに多くの雇用者に影響を与えています。ゴースティングに関する話題が高まっているにもかかわらず、ネガティブな結果に直面した求職者はごく少数です。今回の投稿を含む全3回にわたって調査結果の詳細をお知らせします。

今回はゴースティングが増加しているのか、どんな人がそれを行っていて、どんなときにそれが起こるのかを数字で見てみます。次回は求職者がなぜゴースト化するのか、最終回ではリクルーターと採用マネージャーがゴースティングを防ぐためにできるターゲット戦略で締めくくります。すでにゴースティングに悩まされている方、もしくは次はそうなるのではないかと心配な方、皆の話題に上がっているこの採用問題の内部をご覧ください。

 

ゴースティングは新しい傾向ですが、雇用主の83%がすでにそれを経験しています

このレポートではゴースティングに関する特に大きな問題の答えを見つけようとしています。まず、ゴースティングはまだ本当に最近の傾向なのでしょうか?それとも以前から起こっている問題なのでしょうか?

ゴースティングに遭った雇用主はそれが最近の現象であると報告するものが圧倒的であり、69%がここ2年以内で始まったと言っています。さらに、雇用主のなんと83%がゴースティングされた経験があると答えています。

これはつまり、ゴースティングが大流行しているということなのでしょうか?その答えは見かけよりも複雑です。確かにゴースティングは広まっています。しかし、誰もがやっていることなのでしょうか?答えは No です。4000人以上の求職者サンプルのうち、採用プロセスの途中で雇用主の前から消えたことがあると答えたのは18%だけでした。求職者のおよそ5分の1がそれを認めているということは、この少数派の行動が雇用主の5分の4以上に大きな影響を与えていることになります。

ゴースト化したこの18%の求職者とゴースティングされた83%の雇用主を特定した後、これらのグループ内でゴースティングについての詳細を掘り下げました。このレポートでは、今後、これらの回答者のみを参照します。

求職者は採用プロセスのさまざまな段階でゴースティングします。50%が予定された就職面接をスキップし、46%が採用企業からの電話やメールへの応答をやめたことがあります。さらに先のステップでやめてしまう人もいます。19%は口頭で採用オファーを受けておきながら書類に署名する前に姿を消し、22%は仕事の初日に行かなかったことが少なくとも1度あると答えています。

雇用主は採用プロセスのあらゆる段階でゴースティングを経験しており、対応を急いでいます。圧倒的多数(84%)が、候補者が面接に現れない経験をしており、64%は説明なしでコミュニケーションが止まったと言っています。60%近くが、口頭で採用オファーを受けた後、候補者が消えたことを報告しており、なんと65%が初日に出社しなかった候補者がいると言っています。

 

求職者にはゴースティングする理由がたくさんあります。

では、なぜ求職者は苦労して仕事に応募して、採用プロセスのほとんどを完了した挙げ句に消えてしまうのでしょうか。この質問をすると多くの回答者がリクルーターにはコントロールできない理由を挙げます。例えば、半数はその仕事が自分に合っていないと判断したと答え、40%は他の会社から採用オファーを受け取ってゴースティングしたと言います。また、給与(22%)や福利厚生(15%)が希望条件に達していなかったという回答もありました。

しかしながら、ゴースティングした求職者はリクルーターが何とかできる可能性のある分野についても言及しています。主なものが効果的でオープンなコミュニケーションです。例えば、ゴースティングした人の26%は単純に心変わりを雇用主に伝えるのが気まずかったと言います。13%は担当のリクルーターとのコミュニケーションが全体的によくなかった。11%はどうすればよいか分からなかったため姿を消したと答えています。

透明性と信用は、会社の評判や採用プロセスにおける候補者の経験とともに、候補者がゴースティングしてしまうかどうかに大きな影響を与えます。回答者の中にはリクルーターに嘘をつかれた、もしくは誤解を与えられたと感じている人がいたり、雇用者の無礼や態度の悪さについてコメントする人もいました。今日の厳しい人材市場において、求職者はこのような悪い振る舞いに我慢しようとはしません。

もうひとつの重要な質問は、「求職者にとってゴースティングは危険なのでは?」というもので、答えはそうではないようです。ゴースティングについて、「失礼」「社会人らしくない」「無責任」などと言って、ゴースティングを恥じる人もいます。同じ企業に再度応募するのは気まずいと答える人もいれば、41%の人は将来の機会に悪い影響を与えるかもしれないと心配しています。しかし、驚くことに94%の求職者はゴースティングの悪影響をほとんど、またはまったく経験していません。問題はこの状況が延々と続いてしまうのか、それともこのような求職者の行動がいずれ彼らに返ってくるようになるのかということです。

調査したリクルーターと採用マネージャーのうち、70%がゴースティングに対し、「やや」もしくは「非常に」ストレスを感じていますが、ゴースティングを止めるための戦略を立てているのは29%だけです。再犯者を防止するための対策を講じ始めている人もいます。71%は一度も出社しなかった新入社員の記録を保持し、65%は面接でいなくなった求職者を追跡しています。現在、その影響を感じているゴースティング経験者はいませんが、求職者が気づいていないだけで、状況の変化は始まりつつあります。

ゴースティングをしているのは予想と違ってさまざまな世代にわたります。

このようなゴースティングをしているのは誰なのでしょうか。メディアのレポートでは、しばしばミレニアル世代やZ世代がそれに当てはまるような話になっていますが、このような年代に対する思い込みのある人たちの仮定と私たちの調査結果では矛盾が生じます。

ゴースティングをしたことのある調査対象の年齢の中央値は34歳で、70%はフルタイムで雇用されています。初めて仕事に就くような若い世代ではありません。ゴースティング行為は年齢層に関わらず同じように存在します。仕事の初日に出社しなかった経験があるかという問いに対して、18〜24歳のグループと35〜44歳のグループはともに23%が「はい」と答えました。45〜65歳のグループでは20%でした。

すべての年齢層でゴースティングが起こる中、その理由は年齢層によって違いがあるようです。18〜34歳のゴースティング経験者はうまくコミュニケーションをとる方法が分からなかったという理由で消えてしまうことが多いようです。リクルーターの気分を害したくない、もしくはその仕事に興味がないと雇用主に伝えるのが気まずいという理由です。

若い世代の求職者は採用プロセスに時間がかかりすぎると感じるとゴースティングしやすくなります。18〜34歳のゴースティング経験者のうち27%が応募プロセスに時間がかかることをその理由に挙げています。45〜65歳のグループでは18%だけです。若い世代の求職者は採用プロセスにかかる時間についての想定が現実と合わないのに対し、年齢の高い世代ではもっと現実的な理解を持っている(もしくは、単にそれほど焦っていない)ことが考えられます。

 

ゴースティングは採用環境の一部ですが、見た目以上に複雑です。

Indeedのゴースティング調査により、この現象に関する重要かつ新しい詳細が明らかになりました。今回の投稿では、求職者がいつ、どのように、なぜゴースティングするのかを示しました。ゴースティングは新しく、増加していますが、それを行っているのはほんの一部の求職者です。現状ではゴースティングしても悪影響を経験していないものの、それが変化する兆候はあります。最後にゴースティングは若い世代に限らず、さまざまな年代で存在しますが、世代によってその要因には違いがあります。

リクルーターの頭を悩ませるこの問題については引き続き詳しく調べていきます。次回の記事では求職者がゴースティングする(もしくはしない)理由を自分の言葉で説明してくれます。

 

原文はこちら:The Ghosting Guide: An Inside Look at Why Job Seekers Disappear